インターナショナルな臨床歯科医療の研究・教育の発展を目指すIDEA/国際歯科臨床教育研究会

■IDEAに関する論文


私の道具箱  イオン音波振動歯ブラシ(IONPA® Perio)

和泉雄一
1)総合南東北病院オーラルケア・ペリオセンター
2)東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野

はじめに
超高齢社会を迎え、加齢変化による手指の感覚や運動能力の低下によって、従来の細やかな手磨きによるブラッシングの徹底と歯間清掃を併用する理想的なプラークコントロールの習慣化が実現困難となっている。そこで、これまでのシステマティックレビューで電動歯ブラシは手用歯ブラシよりプラーク除去に効果的であることが報告されていることから、軽量で効率的にプラーク除去が可能な新規イオン音波振動歯ブラシ(IONPA® Perio)の開発を行った(図1)。
IONPA perio

IONPAの特徴・利点
大型でプラーク除去効率が高いとされる従来の音波振動歯ブラシに対し、IONPAは22,000ストローク/分と低振動である。これはブラシへの微弱電流によるプラーク脱極効果(図2)を備えることで、高い振動数を必要とすることなく歯面からプラークを容易に除去することが可能と考えられる。また歯ブラシの植毛の構造も考慮し、毛先の先端を尖った植毛にすることによって、一度に接触する歯面を増やすことが可能となった。さらに30秒ごとに振動の小休止を設定し、時間を意識できるように工夫した。私たちの研究結果では、短時間で特に臼歯部の歯面のプラークを効率的に除去できたことを報告している(EuroPerio9、2018)(図3)。
IONPAのプラーク脱極効果
IONPAと手用ブラシのプラーク除去率の比較

IONPAの使用法
1か所(1~2歯)約10秒間軽圧でブラシ部分をバス法に準じて歯面に当て、臼歯部から小臼歯部、前歯部へと進めていく。その時にわずかに近遠心的に手で振動を加えると効果的である。30秒ごとに振動が小休止するため、それを目安にし、咬合面の清掃も含め上下顎5分で効率よくプラークを除去することができる。IONPAは小型かつ軽量に設計されているため、ブラシを自由に動かすことができ、プラーク除去が不足と感じた部分を追加で清掃するとよい。微弱電流によるプラーク脱極効果を高めるため歯磨剤の使用は必要ないが、清涼感を求めるためにごく少量の使用は問題ない。
IONPAは、握力や腕の筋力が低下した高齢者においても無理なく使用できる重量とサイズであり、継続的な使用を容易にしている。

図の説明
図1:イオン音波振動歯ブラシ(IONPA® Perio DM-011、税抜き2,500円)、(アイオニック株式会社、 04-7145-0870)
図2:IONPAのプラーク脱極効果: 歯ブラシの毛先から発生するマイナスイオンにより、通常マイナスに帯電している歯面とマイナスに帯電しているプラークが唾液やペリクルといったプラスイオンを介しての吸着を阻害し、音波振動を加えることによりプラークを歯面から除去しやすくする。
図3:IONPAと手用ブラシのプラーク除去率の比較。前歯はIONPAと手用ブラシに有意な差は認められなかったが、小臼歯と大臼歯においてIONPAを使用した群が有意に減少した。


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